柱の年輪と含水率
年輪とは
スギやヒノキなどの国産材には、必ず「年輪」(ねんりん)があります。
年輪とは、樹木の切り株などの横断面に見える同心円状の輪のことです。 木は春から夏にかけて大きく成長し、夏の終わりから秋にかけて成長が止まり緻密になるので、 それが輪のように見えるのです。
この輪を数えると、木の樹齢がわかります。樹木の輪切り断面の環状の輪は、色が淡い部分を「早材」と呼び、 春から夏にかけて成長した部分(細胞壁)です。色が濃い部分は「晩材」で、夏から秋にかけて成長した部分です。
スギやヒノキは、年輪幅が等間隔であるものが「良質材」とされ、 若い時期(植えてから 10 年~20 年)には枝打ちで成長を抑制し、この後は間伐で成長を促して、年輪が等間隔になるように育てます。
「辺材」と「心材」
樹木の輪切り断面で、色彩が濃い中心部を「心材(赤身)」、色彩の淡い周辺部を「辺材(白太)」といいます。
この「心材」と「辺材」は異なる性質を持っています。 「強度」、「耐久性」は色の白い外側の部分の「辺材」が優れており、逆に「心材」は芳香成分が含まれ、 腐朽菌や白アリへの抵抗性があるので、建物の基礎部分や水回りに使用するのがよいです。
「心材」と「辺材」も使い分けることで、木の家はさらに長持ちします。
木目の「板目」と「柾目」
木材の中心を通らずに接線方向に切った断面を「板目(いため)」木材の中心を通って放射方向に切った断面を「柾目(まさめ)」といいます。
板目、柾目は乾燥による収縮率が異なります。 【各収縮率比率は、繊維方向:半径方向:接線方向=1:10:2特に板目は、 接線方向は半径方向に比べて2倍収縮するため、乾燥が進むと、木表(板の樹皮側)側に凹の反りが現れます。
少なくとも含水率20%以下にまで乾燥されていない木材を使用すると、 継ぎ目に隙間が生じて、構造耐力が確保できなくなったり、床鳴り等の原因となります。
含水率について
木材が乾燥すると、寸法は段々小さくなります。特に含水率30%近くになると大きく収縮し、 割れや、そりが目立ってきます。
使う前に十分低い含水率まで乾燥させておく必要があります。 一般的に、建築用材の適正含水率は次の様です。
構造用製材20%以下
敷居・鴨居・枠材等18%以下
床板・内装用壁板材15%~10%