和風住宅の豆知識 書院
2020年01月22日
和風住宅の豆知識
今回は書院についてです。
歴史
部屋の一角を出窓のように縁側に張り出し
窓を設けて机を造りつけた
「出文机」と呼ばれる僧侶の勉強の場が
鎌倉時代の「法然上人絵伝」に描かれています。
室町時代以降、それは文房具や書物を飾る場となり
書院と呼ばれるようになりました。
足利義政造営の東山殿の書院飾りを
書き留めた古記録も残されています。
安土桃山時代には床の間、棚、書院を
組み合わせた座敷飾りが現れ、江戸時代には
書院造りの座敷の形として定着していきました。
現代
床の間のある座敷を設けても
正規の書院まで作る例は減少していますが
脇の小窓や出窓に障子をはめて部屋に自然光を取り入れ
飾り棚とする設計は多くみられます。
また、床の間の脇にアルコーブといった空間を造り
明り取りの障子窓と小机を備えて
書き物や読書の場とする工夫は
書院本来の機能を取り戻す試みともいえます。
このような空間は和風住宅に限らず
洋風を取り入れた現代住宅にあっても
暮らしの中の憩いの場となりそうです。